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神経回路情報処理研究室は脳のメカニズム解明とその応用に挑戦する研究室です。 Our Goal: the development of brain-inspired intelligent system

研究内容 Research

研究の目標Our Goals

神経回路情報処理研究室では脳の情報処理のメカニズムを明らかにし、最終的には明らかにしたメカニズムを
コンピュータやロボットなどに応用することを目指しています。

ただし、脳の情報処理メカニズムをすべて解明して、応用を目指すわけではありません。
一部でもメカニズムが明らかになったときに、それが応用可能であれば、どんどん応用していきたいと考えています。

現在は、脳の情報処理メカニズムの解明として、特に記憶のメカニズムに関する研究に取り組んでいるほか、
脳の情報処理メカニズムの応用として、衛星画像解析に関する研究にも取り組みはじめています。

脳の情報処理メカニズムの解明に向けてFor Understanding Computation in the Brain

脳ではたくさんの神経細胞が、互いにつながり、回路(ネットワーク)を作っています。
1つ1つの神経細胞は電気信号(活動電位)を発することができ、その信号は回路を通じて他の神経細胞へと送られることで信号のやり取りをしています。さらに、信号のやり取りを通じて回路が変化(シナプス可塑性や神経新生など)することもあります。そのため、常に同じ相手と同じように信号をやり取りしているのではなく、同じ信号でもそれを受け取る神経細胞の応答が変わったり、また受け取る神経細胞が変わったりしています。

そして、神経細胞の回路での信号のやり取りや回路の変化によって、脳は様々な機能を実現しています。例えば、私たちは見たこと、聞いたことを覚えることができますが、それは入力された情報によって神経細胞の回路が変化し、その変化が維持されることによって情報が保存されるからだと考えられています。

そこで、神経細胞の回路でどのように信号のやり取りが行われているのか、どのように回路が変化するのか明らかに
することが、脳のメカニズムの解明に必要となるわけです。では、どのように脳の中のこと(神経細胞の回路や信号の
やり取りなど)を調べればいいでしょうか?

まず、思いつくのは脳を直接調べる方法です。脳の中で行われている信号のやり取りを計測することができれば、脳のメカニズムの解明につながります。他にも、コンピュータ上に神経細胞を再現し、脳と同じ人工的な回路を作ることができれば、様々な状況での信号のやり取りを調べることができます(コンピュータシミュレーション)。

神経回路情報処理研究室では、この脳の計測データを解析する研究とコンピュータシミュレーションを用いた研究を通じて脳の情報処理の解明を目指す研究を行っています。

脳の計測データの解析Analyzing Recordings from the Brain

運動に関係する脳の領域(運動野)と記憶に関係する脳の領域(海馬)から計測された電気信号を解析し、行動と記憶の関係を明らかにする研究を行っています。

共同研究先から提供いただいた脳の計測データには、小動物が課題(例えば、正しいボタンを押すと餌がもらえるといった)を行っている際の、脳のある神経細胞の回路で生じた電気信号が記録されています。その信号の中には、回路を構成する神経細胞が発した電気信号や、多くの神経細胞の活動の集合的な信号が含まれています。その信号をよく調べると特徴的な波形が頻繁に現れることがあります。特徴的な波形が起きるタイミングを知ることで、脳の情報処理メカニズムの解明につながる手がかりを得ることができることから、課題のどういうタイミングで特徴的な波形が現れるのかを調べています。

ー情報系の学科を志望する(に所属する)学生に向けてー
脳の計測データの解析では、多くの計測データを処理しなくてはなりません。そのため、手作業ではなくコンピュータで処理させた方が効率的です。脳について多くのことを学び、情報系の学科で学ぶプログラミング、信号処理、画像処理やパターン認識(機械学習)などを活かすことで、コンピュータに脳の計測データを処理させることができます。

脳のコンピュータシミュレーションComputer Simulation of the Brain

記憶に関係する脳の領域(海馬)の記憶を形成するメカニズムを明らかにする研究を行っています。

脳の神経細胞の回路から計測された電気信号には特徴的な波形が含まれていますが、そのような波形が生じている際には神経細胞の電気信号の発生の仕方もやはり特徴的であることが分かっています。特徴的な波形は記憶と関係することが報告されています。そこで、特徴的な神経細胞が発する電気信号をコンピュータ上で再現し、その電気信号が神経細胞の回路の中でどのように伝わっているのか、そして、そのやり取りによってどのように回路が変化するのかを調べることで、海馬の記憶を形成するメカニズムの解明につながると考えています。

対象とする脳の領域にある神経細胞、神経細胞同士のつながり、回路の変化の仕方などをコンピュータ上に再現するプログラムを作成します。再現の仕方には非常に簡略化したものから、複雑なものまでありますが、完全に再現することは難しいです。しかし、コンピュータ上に再現することで、神経細胞同士のつながり方を変えたり、変化の仕方を変えたりといった、実際の脳の神経回路では難しい操作を加えることができます。このような操作をコンピュータ上で行い、様々な状況での神経細胞の回路の信号のやり取りや回路の変化などを調べることで、本物の脳での神経細胞の回路での信号のやり取りや、回路の変化に関する手がかりを得ることができます。

工学部研究紹介冊子にもコンピュータシミュレーションによる研究内容を紹介しています。 Click here for the infromation about our research fields in English

ー情報系の学科を志望する(に所属する)学生に向けてー
脳のコンピュータシミュレーションを行うためには、コンピュータ上に脳を再現しなくてはなりません。脳について多くのことを学び、情報系の学科で学ぶプログラミング、数値計算などの知識や技術を活かすことで、コンピュータに脳の一部を再現させることができます。さらに、複数のコンピュータやCPUに処理を分担させる並列計算などの技術を用いることで、計算に時間がかかる複雑なことを効率的に再現することもできます。

脳の情報処理の応用Application of Neural Computation

脳の神経細胞の回路にヒントを得て作成されたニューラルネットワークは、近年、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれるかたちで進展し、様々な分野への応用されはじめています。実際の脳の神経細胞の回路は、特徴的な構造になっていたり、特徴的な活動が生じています。そのような、特徴をニューラルネットワークに取り込むことが、さらなる性能の向上につながると考えています。

脳の構造や活動を取り入れたニューラルネットワークなどを用いて、人工衛星によって撮影された画像の解析を行い、特に災害地域の検出を目指す研究を行っています。

ー情報系の学科を志望する(に所属する)学生に向けてー
脳の情報処理メカニズムの応用では、脳について多くのことを学び、それを情報系の学科で学ぶ機械学習(ニューラルネットワーク)に活かすことで、最終的に実世界の諸問題を解決するためのシステムの構築を目指します。その過程においては、情報系の学科で学ぶプログラミング、信号処理、画像処理やパターン認識(機械学習)など知識や技術が必要となります。

各研究の具体的な内容については、研究業績をご参照ください。

TOPICSトピックス

2017年12月07日Dec. 7, 2017
NOLTA2017Presentation at NOLTA2017

2017年12月02日Dec. 2, 2017
第19回IEEE広島支部学生シンポジウムPresentation at 19th HISS

2017年10月21日Oct. 21, 2017
第68回中国支部連合大会Presentation at 68th Rengo Taikai

神経回路情報処理研究室 Lab. for Neural Circuit Comp.

〒755-8611
山口県宇部市常盤台2−16−1
山口大学工学部知能情報工学科

准教授 佐村 俊和
Toshikazu Samura, PhD

Associate Professor
Tokiwadai 2-16-1, Ube-shi,
Yamaguchi, 755-8611, Japan
Yamaguchi University,

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